処女失格 ~初めては貴方に捧げたかった~ 感想

便宜的に呼び名を人形時:ちぎみちゃん
人間時:ちぎみ で統一させて頂きます。

ごかくさんが胸糞過ぎて。
とんでもないクソレイパーなんだけど、後半のちぎみちゃんに土下座してる場面では溜飲が下がった。でも許せない。

ごかくさんはクソヤリチンで会社にいる清掃員のちぎみ(三十路)に目をつけて無理矢理レイプする。
ちぎみは三十路にして処女なんだけど、年下の初カレ(川嶋くん)ができて浮かれてる最中にこの仕打ち。

あまりのショックでちぎみはごかくさんのマンションから身投げする。
なんとごかくさんの元部下の手によりスポンジ人形・ちぎみちゃんとして復活する。
ボロボロになったちぎみの体の修復も元部下に任せるんだけど、なんとちぎみちゃんはちぎみとしての記憶を失っていた。

記憶喪失のまま、ごかくさんと生活を続ける毎日のなか、川嶋くんの姿を見つけるシーンは一度プレイした後だと辛いものがある。

記憶喪失のちぎみちゃんが川嶋くんのことを嬉しそうに話すのに嫉妬してお風呂で虐めてるシーン。
たいしてエロいことしてないのに淫靡感がすごい。
言葉責めのおっさん臭さがすごい(褒めてます)。

陰毛のことをおまたのおひげっていうのは爆笑した。
ごかくさん、子宮のことも赤ちゃんのお部屋って言いそう。

それに対するちぎみちゃんの拒否り方がリアルというか……。
尊敬してる人からエロい言葉って聞きたくないよね。
冷静に考えるとスポンジ人形にエロいことしてるおっさんてヤバいよ。

記憶を取り戻してからのちぎみちゃんはもう烈火の如く怒り狂ってて迫真のシーンだった。
かえして、に全ての意味が詰まっていて非常にプレイしていた時に心に突き刺さった。

帰して! 帰して返して! 返して! 返して! 帰して!! 私の全部!! 私の時間も人生も体も全部全部全部かえしてえええ!!

3年もの間、欺かれていたという事実とその男に気を許していた自分の感情も時間も体も人生も、
全て返せと訴えるちぎみちゃんの絶叫が聞こえてくるようで……。

もう3つ、心に残った文章。

神に見えた男が…………悪魔にしか見えないのだ。

絶望でしかない。神だと思っていたモノが悪魔だと知って、果たして人は正気でいられるだろうかと考えさせられた。

私の前で、ボロボロと涙を零し嗚咽を漏らす男に、許せないという気持ちより、可哀相という気持ちが段々と強くなってくるのだ。

ちぎみちゃんを失いたくないと泣きながら訴えるごかくさんの気持ちと絆されるちぎみちゃん、とっても辛いシーンだった。

そして一目、川嶋さんに会いたいと遠くから彼女と並んで歩く川嶋さんを眺めて呟いたちぎみちゃんの一言。

………………………………………………川嶋さん、今きっと、一番幸せなんでしょうね……。

辛い。辛すぎる。

ちぎみが職場の飲み会で好きな音楽を訊かれて映画の音楽と答えるシーンは読んでいて非常に心を抉られた。
あのDQN女は何らかの社会的制裁を受けるべきだと画面の前で憤った。

ごかくさんはかなりのゲス男(げすおと読んで下さい)なんだけど、ちぎみちゃんに対する態度とかを見てると凄い来るものがあって。
「実はコイツ、人前では虚勢張ってるけど心は孤独なのか?」とか
「ちぎみちゃんへの愛情は本物なのではないか」とかいろいろ考えちゃうんだけど、
結局利己的な奴なんだろうな。結局ね。
だからこそちぎみちゃんを失いたくなくて土下座とかしちゃうんでしょ。
ホント、ゲス男です。

あのゲス男っぷりは天性のものだと思うので、そこは生涯変わらないんだろうなってなんとなく思う。
この子には俺がいないと駄目なんだ! みたいなシチュに弱いんでしょうね、彼は。

ちぎみちゃんのごかくさんを思う気持ちはきっと嘘偽りのないものだと思いますし、そこはかなり納得できるストーリー運びでした。
ちぎみちゃんが元の体に戻ったら果たしてこれまでのように同棲生活を続けられるのかが気になる。

処女失格 ~初めては貴方に捧げたかった~